お知らせ・ブログ

2020.03.31

【理事長インタビュー】〈もしバナゲーム〉を利用したACP研修会の開催

こんにちは、事務局長の清水です。
本日はACP(Advance Care Planning)についてお話を伺っていきたいと思います。

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伊谷野:

本日のテーマはACPについてですね。

ーーーーはい。まずはACPとは何かという点から教えてください。

伊谷野:
ACP(Advance Care Planning)とは、
将来の変化に備え、
将来の医療及びケアについて、
患者さんを主体に、
そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、
繰り返し話し合いを行い、
患者さんの意思決定を支援するプロセスのことを言います。

厚生労働省が「人生会議」と名称付け、2019年11月に啓発用ポスターを作製したことで話題になったことも記憶に新しいのではないでしょうか。

誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気や怪我をする可能性があります。

そのため、自分自身で前もって考え、周囲の人たちと話し合い、本人が望む医療やケアのことを共有することが重要です。
そして、心身の状態に応じて意思は変化することがあるため、何度でも繰り返し考え、その話し合いを重ねる過程を大切にしていきましょうという取組みになります。

ーーーーなるほど、概念を理解しました。その活動のひとつとして〈もしバナゲーム〉があるということでしょうか。

伊谷野:
そうですね。
当院のACPの普及活動のひとつとして、〈もしバナゲーム〉の勉強会への参加があります。

他の医療機関が開催した会に参加させていただいたこともありましたし、当院主催で地域の医療介護事業所向けに〈もしバナゲーム〉を用いたACP勉強会の開催もしました。
そのときの参加者の職種は、看護師とケアマネジャーが多かったですね。

参加者からは「〈もしバナゲーム〉を利用する事で自らを振り返る良いきっかけになった。」「是非担当の患者さんや家族とこの〈もしバナゲーム〉を使いたい。」という嬉しい声をいただきました。

ーーーー今後の活動で考えていることを教えてください。

伊谷野:
地道ですが、まずは地域の医療・介護職を中心にACPを身近に感じ、少しでも知ってもらう事が目的ですね。
〈もしバナゲーム〉がきっかけになればと少数や複数グループの実施など、大小で勉強会を開催していきたいと思います。

地域の居宅介護事業所や訪問看護ステーションなどからも各事業所のスタッフの間でゲームを行いたいとご希望がありましたので順次開催していきたいです。
医療職・介護職スタッフの間で〈もしバナゲーム〉を利用したACPが浸透することで、いずれそのスタッフと関わりのある地域の住民の方々に広く浸透することを期待しています。

医療・介護の現場においてACPはまだあまり実施されていないと言われています。
時間的制約がありつつも、どのように実践していくかという取組みは意義があると思っています。

また当院の在宅緩和ケアセンター長である田代医師より「がん終末期の患者さんに対してACPを実施することはなかなか難しい。他の医療機関の事例も極端に少ない」という意見もありました。
在宅緩和ケアを受ける段階は、時期として遅すぎるのではないかという意見もあり、たしかにACPを行うタイミングを見極めることに課題があると思います。

ACPは大切な取組みであることに間違いはありませんので、早いタイミングで実施していくことも重要です。
そのきっかけとして〈もしバナゲーム〉はゲーム感覚で気軽に実施でき、地域社会にACPを普及させるツールとして非常に有用な手段です。

これからも終末期医療を行う上でACP(Advance Care Planning)により事前に本人の意思表示することがますます重要になってくるといえます。
患者さんの人生観や価値観、希望に沿った、将来の医療及びケアを具体化することを目標に、より良い終末期医療を実践するため〈もしバナゲーム〉を活用してACPの普及を試みていきたいと思います。

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本日のインタビューは以上です。

▼在宅緩和ケアセンターへのお問い合わせはこちら
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com

2020.03.30

もしバナゲームの研修会を開催いたしました。

こんにちは、事務局長の清水です。
先日、もしバナゲームの研修会を開催いたしました。

なぜ取り組んだかという点については、理事長の伊谷野にインタビューをしていますので、
ぜひこちらの記事をご覧ください。

当日は理事長 伊谷野と在宅緩和ケアセンター長の田代も参加して、
看護師さんやケアマネジャーさんとわいわいと進めることができました。

皆さんに感想を聞いてみると、意外と気づいていなかった自分の価値観に気づけるそうです。
改めて自分たちの仕事が好きだと再認識したという人も!素敵です。

ちょっとした時間にできる点が魅力のゲームになりますので、今後も定期的に開催していければと思います。

▼もしバナゲームにご興味のある方はご連絡ください。ぜひ多職種でやってみましょう
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com

2020.03.30

🍙栄養豆知識〜『リハビリテーション栄養』研修報告〜🍙

ファミリークリニック 管理栄養士の青山です。
先日、在宅栄養管理学会 東北・関東・甲信越ブロック研修会に参加してきました。
内容が盛りだくさんでしたが、今回はリハビリテーション栄養についてご紹介します。

【リハビリテーション栄養】
リハ栄養とは栄養状態も含めて国際機能分類(ICF)という評価法で評価を行ったうえで、障害のある方や高齢の方の機能・活動・参加を最大限発揮できるような栄養管理を行うことです。

難しい定義や評価は専門家に任せるとして、、、今回はリハビリと栄養の関係を知っていただけたらと思います。

歩けなくなったから、転びやすくなったから運動(リハビリ)をしなければと考える方は多いと思います。

でも、運動だけすればいいのでしょうか?

歩けないなど、今までできていたことができなくなるには必ず何か原因があります。その原因は1つとは限りません。歩けないから運動をすれば歩けるようになる、そう単純なものでもないのです。

歩けなくなった原因がなにか病気によるものなのか、そこに栄養不足(栄養障害)はないのか確認する必要があります。
栄養が足りていない状況で運動(リハビリ)を行うと、人の身体は自分の筋肉を壊してエネルギー源に換えます。筋力をつけようと頑張れば頑張るほど筋力が落ちてしまうということです。

では、安静にしていれば筋力は戻るのかというと、それも違います。
高齢者の場合は、加齢とともに何もしなくても1年に1%ずつ筋肉が落ちます。
1日中寝てると1%の筋肉が落ちます。1週間寝たきりになると7年分の筋肉を一気に失うということです。筋肉を作る能力も加齢とともに低下してしまうため、高齢の方が失った筋肉を取り戻すにはより長い時間がかかってしまいます。

運動(リハビリ)だけをやってもダメ、寝ているだけはもっとダメ。
ではどうしたら・・・。
栄養強化をしながら運動(リハビリ)を行うことが大切ということです。

リハビリを効率的に行うために必要な栄養とは、エネルギーと蛋白質!
蛋白質はいろいろな食品に含まれますが、量をたくさん食べることが難しい場合は、特に蛋白質を構成するアミノ酸のバランスの良い食品がおすすめです。
卵や鶏肉、牛肉、豚肉、鮭、まぐろ、アジ、牛乳など。

蛋白質だけでは不十分。
最初にエネルギー源になるのは糖質です。
十分なエネルギーがあるからこそ筋肉が作られていきます。
しっかりご飯も食べましょう!!

体調や病気の状態によっては蛋白質もご飯も
食べ方に注意する必要があります。
そんなときには、ぜひ先生や栄養士に相談してみましょう。

管理栄養士
青山

2020.03.27

医事課ブログ~2020年度 診療報酬改定~

こんにちは 医事課の船生です。

先日2020年度の診療報酬改定が発表されました。

2年に1回のこの診療報酬改定時期は、どこの医事課もフル稼働で算定要件の確認作業に追われている日々です。

ただし、今回はコロナウイルスの影響で診療報酬改定講習会が次々と中止になり、WEB配信での確認作業となっています。
その為、講習会時に配られる白本等が手元にないために苦労している状況ですが、
どこの医療機関も同じ状況なので、なんとか感染拡大がこれ以上広がらないことを祈りつつ、 当院でも感染防止に努めながら4月の診療報酬改定に向け、準備をしていく所存です。

医事課課長 
船生

2020.03.26

当院の福利厚生の一部をご紹介いたします

こんにちは経営推進部の毛塚です。
本日は当院の福利厚生の一部をご紹介いたします。

当院では同じ大田区にある『玉子屋』さんの日替わりの仕出し弁当を注文しています。

そんな玉子屋さんのことを少し調べてみました。

宅配弁当の業界水準は大手でも1日3000食だそうです。
一方で玉子屋さんは1日6~7万食を毎日送り届けているそうです。桁違い。。
それだけの量を作れることでお米やおかずの品質向上が実現!
しかも廃棄ロスは0.1%未満とのこと。環境にも優しい取組みです。

お客様の満足を得るために弁当の質にこだわりながら、オペレーションの工夫を追求されている点が素晴らしいと思いました。同じ大田区の企業ということで、これからも応援いたします!

仕事をしているとついつい増えがちな外食。栄養バランスが心配になるかと思います。
おろそかになりがちな健康管理も少しばかりですがサポートをしております。

経営推進部
毛塚

2020.03.24

福利厚生について

こんにちは
地域連携室 相談員の坂本です。

当法人は福利厚生でウォーターサーバーの導入をしています。

目的のひとつはペットボトルごみの削減です。
ペットボトルごみを少しでも減らし、マイボトルの活用を推奨しています。

また、法人としての防災準備水の備蓄にもなっており、災害時に備えることにより職員の安心にもなっています。

何よりも手軽にお湯や冷水で自分で好きな飲み物を作って飲むことができ、休憩時や水分補給時には欠かせないものとなりました。
ウォーターサーバーの導入をご検討の方がいらっしゃれば、ぜひおすすめいたします。

地域連携室
相談員 坂本

2020.03.12

「緩和ケア領域で活躍する現任のMSWと対象とした緩和ケアセミナー」に参加して参りました

 皆さまこんにちは。

 地域連携室 相談員の小島です。

 先日に行われた「緩和ケア領域で活躍する現任のMSWと対象とした緩和ケアセミナー」に参加して参りました。

MSWとは、メディカル(医療)ソーシャルワーカーと呼ばれる、いわゆる医療現場における福祉の専門職で、病気を患った患者様やそのご家族を社会福祉の立場からサポートする職種のことを言います。

 今回のセミナーでは医療現場をさらに緩和ケア領域に絞り込み、私たちMSWがどのような役割を担っていくべきかを概論を学びながら見出し、更に具体的に「SMART」というソーシャルワークの質向上プログラムを使ったグループワーク行ないました。

 緩和ケア目的の中には、『多面的な苦痛を予防し和らげることを通して、患者様やそのご家族のQOL(Quality of Life:生活や生命の質)を向上させること』が挙げられます。様々な苦痛がある中で特に痛みや不安に目がいきがちですが、苦痛は以下の4つに分類されます。

①身体的苦痛:痛み他、身体状況・日常生活動作の支障

②精神的苦痛:不安、苛立ち、うつ状態

③社会的苦痛:経済的な問題、仕事上の問題、家庭内の問題

④スピリチュアルな苦痛:生きる意味への問い、死への恐怖、自責の念

 私たちMSWは対人援助を基本とし、社会保障や福祉の知識をもって、患者様やご家族の不安の聞き取りや社会的問題の対応、自己決定のサポートを行なうことを求められています。訪問診療という場ではなかなか患者様やご家族と直接お会い出来る機会がないため、自分はまだまだ役割を担いきれていない部分を痛感しました。

 そこで「SMART」というソーシャルワークの質向上プログラムでのグループワークでは、私達MSWを知って頂くということをテーマに掲げ、訪問診療の場で働くMSWと共に考察しました。

 そこでまとめたファミリークリニックでのMSWの取り組みをここに掲載させて頂きます。

 まず、ファミリークリニックでは週に1回、緩和ケアチームでのカンファレンスを実施しています。そこでは医師や看護師から病状のことをはじめ、患者様やご家族からのことば、ご様子などが共有されます。その場にMSWも参加し、情報から真の想いを探り、医療面以外でご提案できることが有れば情報を共有しています。実際に介護保険申請や緩和ケア病棟のご説明などを患者様にさせて頂いたケースもあります。

 またご自宅で行なわれるカンファレンスやサービス担当者会議等にも出向かせて頂き、直接お話をできる機会を作っています。

 患者様を支えるのは医療職だけではありません。福祉で携わるケアマネジャー、ヘルパーなどとも情報を共有し、安心安楽にご自宅で過ごして頂けるよう、多職種で連携するための連絡調整の役割も担っています。

 ファミリークリニックでは様々な職種がチームとなって対応しています。

直接私たちMSWに不安や苦痛をご相談頂くことも可能ですが、普段なかなか直接お会いしていないMSWに、自分の想いを語るということは、誰もが抵抗を感じることと思います。普段から訪問させて頂いているスタッフに想いを伝えて頂くことで、チームで共有し、対応させ頂くことも可能です。

 様々な研究の中には、生存期間よりも自分らしく生きることを求めた方がQOL(生活や生命の質)が上がると言われています。

「こんなこと言ってもいいのだろうか」ということでも、まずはその想いを聞かせてください。ファミリークリニックでは患者様1人ひとりの想いに寄り添った医療の提供をチームで行なって参ります。

今回のセミナーで改めて痛感したMSWとしての役割を実践できるよう、様々な職種と協働して患者様やご家族のQOLを向上出来るお手伝いをして参りたいと強く感じました。

地域連携室 相談員
小島

2020.03.11

『在宅でのフィジカルアセスメント』研修報告

こんにちは看護師の木本です。
先日、『在宅でのフィジカルアセスメント』をテーマに東京都ナースプラザの研修に参加してきました。

 フィジカルアセスメントとは、「急変を予測し見極めて、早期治療に繋げること」です。とくに在宅では、訪問看護師の適切なフィジカルアセスメントによって、『入院を回避する』ということが非常に重要になってきます。

 私たち看護師は訪問すると必ず、体温・血圧・脈・酸素を測定し、肺やお腹を聴診します。足を触ったり、皮膚状態を観察したり、患者様やご家族から最近のご様子を確認します。五感をフル活用して様々な情報を収集し、健康状態を把握しなければなりません。しかし、正しい方法や知識がなければ、適切な判断ができずに、重症や急変のサインを見逃すことにもなりかねません。

 今回の研修では、呼吸器系と消化器系に焦点を当てて、演習やグループワークを通してより理解を深めることができました。とくにグループワークでは、文章の中から患者様の健康状態を予測しどんな対応をするか、といった非常に実践的な内容で、実際に自分が訪問している患者様のことを想像しながら考察することができました。

 患者様やご家族が自宅で不安なく生活できるように、一番身近な医療者である看護師として、正しい方法と知識を用いて今後も訪問看護を行っていきたいと思います。

看護師 木本

 

2020.02.29

言語聴覚士 「構音障害の方へのアプローチ方法の実技講習」に参加してきました


こんにちは。言語聴覚士の小杉です。

先日、徒手的言語聴覚療法研究会に参加してきました。
徒手的言語聴覚療法とは、構音障害の方へのアプローチ方法の実技講習を行っている研究会で

構音障害とは、言葉は理解できており、伝えたいことがあるのにも関わらず、音を作る器官やその動きの調整が難しいことによって、うまく伝えることが出来ない状態を言います。

例えば、以下のようなことがあります。
・思うように声が出ない
・呂律が回らない
・声を続けて出すのが難しい
・抑揚が無い 等

今回の勉強会は、姿勢の調整を行い、言葉のリハビリに繋げていくとの内容でした。

姿勢の調整は発声をする際の基礎になること。
しかし、姿勢の調整だけでは声を良くすることは出来ない。
声を良くするためには、声を出しながら良くしていくことが重要のことでした。

今までは、食事姿勢の調整をすることが多くありましたが、
より良い声を出すために姿勢調整をするという事への意識が強くなりました。

また当院に入職後、セラピストに筋緊張の確認やアライメントの調整の仕方等を教えていただく機会も増えています。
そして、リハビリ診療に同席させて頂く事で、高橋先生の姿勢評価について拝見する機会もあり、日常何気ない姿勢でも、不良姿勢により腰痛や膝の痛みが出現するという事も知りました。

普段の姿勢、とても大事です!!
そしてコミュニケーションに関して、
「話しても伝わらないから・・・」と時々伝える事を諦めてしまう方にお会いします。
そうなると、声を出す機会がどんどん少なくなってしまいます。
伝わらなくても、どんどん話していきましょう。
そしてご家族様、難しい時もあるかもしれませんが、諦めずに聞きてください。
分からない時は「ごめんなさい、分からなくて」でも良いと私は思っています。
話す機会の向上に、たくさん話して、たくさん笑っていただけるよう、
リハビリで支えられたら嬉しいです。

声の評価は、評価側の主観が多く伴ってしまいます。
そのため、セラピストの主観で左右されないよう、日々耳を鍛えていかなければと思っています。一人一人の発話場面を大切に、これからも声を聞いていこうと思います!

訪問リハビリテーションに興味のある方は
理学療法士 原田までご連絡ください
s.harada@twinheartmedical.com

2020.02.28

対談ブログ~在宅緩和ケアセンターについて 医師 田代 × 理事長 伊谷野~

こんにちは、事務局長の清水です。
本日は対談形式で当法人の『在宅緩和ケアセンター』についてご紹介いたします。
よろしくお願いいたします。

▼対談内容はこちら
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病院と在宅医療の違い~せん妄について~

清水:
本日は『在宅緩和ケアセンター』のことを中心にお話を伺えればと思います。
田代先生は病院のPCT(Paliative Care Team:緩和ケアチーム)などを経験した後、昨年より当院にて在宅医療に携わっていますが、病院と在宅医療の違いはありましたか?

田代:
そうですねー。
まずはじめに、せん妄の患者様の違いに気が付きました。

病院時代は半数以上はせん妄との戦いだったと思います。
しかし、現在の在宅医療の患者様を比較するとせん妄の方が極端に少ないです。
入院時にはせん妄に悩んでいた患者様が、ご自宅に戻ると驚くほど落ち着いているというケースも少なくありません。

この違いについては根拠をつけられていないのですが、医療面だけではなく療養環境の変化により状態が安定するという症例もあるように思います。

伊谷野:
確かにそれはありますね。
病院でせん妄の激しかった患者さんでも退院して自宅に戻ってくると、これまでの状況が嘘だったかのようにせん妄が良くなる事が多いんです。
これまでのせん妄軽快のケースのデータをまとめて在宅緩和ケアチームで振り返り、他の事業所と事例共有することで地域の成長にもつながるかもしれませんね。
今後の取組みとしてはどのような動きが良いでしょうかね?

田代:
退院時から時系列に患者様の状態を評価していくことが良いと思います。
そのデータが集まってくれば、せん妄が強くなる前に対応ができてくるかもしれません。

人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング )について

清水:
病院の医療従事者にもお伝えしていきながら、スムーズな連携が作れていくと良いと思いました。
その他、在宅医療に携わって気づきはありましたか?

田代:
2つ目は人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング )について考える機会が増えてきました。
ACPについて、概念自体は広まってきているものの、具体的な事例はまだまだ少ない状況だと感じます。
医療介護従事者だけではく、患者様やご家族に自分自身で前もって考え、共有することのきっかけ作りをしていくことが重要だと思います。
そこで当院はパンフレットでのご案内や亀田総合病院の先生方が監修された『もしバナゲーム』といったカードゲームを活用して、色々な方法を試しているところです。

伊谷野:
いいですね!
将来的にACPの具体的な取組みが他の地域にも広まっていくような機会も作っていきたいですね。

独居の患者様と在宅医療について

田代:
最後は独居の患者様についてですね。
結論から言うと『独居ということだけを理由に在宅に帰れないことはない』と感じています。
「自宅に戻りたい。自宅で過ごしたい」というご意向があれば、独居の方でもご自宅に帰ることが可能だとわかりました。

今振り返ると私の病院時代では、独居 ≒ 在宅には帰れないという考えが私を含めて病院の医療従事者に多かったように思います。
しかし、実際に在宅医療に携わっている上で、独居の患者様は全く珍しくありません。
在宅サービスが増えてきているので、他事業所や多職種との関わりで適切なサポートができれば、十分にご自宅で療養生活を送っていただけています。

伊谷野:
独居は連携が必須ですよね。
情報共有と事例を重ねていきながら、地域で支えていけるようになりたいと強く思います。
在宅医療と病院の連携についてはどのように感じていますか?

田代:
在宅医療から入院移行になるケースについて、病院に送るべきときとそうではないときの判断についても認識が変わったかもしれません。
在宅医療でできることは想定より多く、最初にお話したせん妄のケースは安易に入院しないほうが良いこともあります。
その他、脱水時に皮下注射を使って在宅療養でも点滴が可能です。

一方で病院に送ったほうが良いケースというのもあります。
例えば、持続的な鎮静が必要な時は病院で適切な治療を受けたほうが良いでしょう。

これからの医療のカタチとして『ときどき入院、ほぼ在宅』 という言葉通りのことを体感できていると思います。

これからの在宅緩和ケアセンターの取組みで考えていること

清水:
ありがとうございます!
質問が前後してしまいますが、最後に伊谷野先生には在宅緩和ケアに力を入れている経緯を、田代先生には在宅に携わるきっかけをそれぞれ教えてください。

伊谷野:
2005年開業時から、『断らない在宅医療』という基本姿勢を続けています。
その姿勢を続けていると、近隣の医療介護関係者からは対応が難しいケースをご依頼いただくことが増えてきます。
その中でも緩和ケアの領域は年々強く求められてきました。

そうなると365日24時間対応しつづける在宅医療に対して、私1人で対応できる範囲にも限界が訪れます。
その状況を変えながら1人でも多くの患者様に安心をお届けでするためには、院内院外関わらず同じ想いを持っていただける仲間が必要になります。
1人の力より、仕組みや連携でカバーしていこうという考えに至ったのです。

今回、田代先生が加わったことにより、これまでも力を入れていた緩和ケアにより一層厚みが加わったと思います。
緩和ケアの領域は、城南地区だけではなく、日本全体の課題になっていると思います。
田代先生には、ぜひ好事例を作っていただいて勉強会や学会などで発表を行い、在宅緩和ケアの底上げに貢献していただければと思います。

また、連携先の病院や訪問看護ステーションの先生や看護師さん、ケアマネジャーさんとも事例を通じてフィードバックしあえる関係性を作っていただきたいです。
成長できる連携をぜひ実践してください。

田代:
がんばります。笑
学会発表などもできると良いですね。

これから2025年、2030年に向けて、人口動態が少子高齢化になることは間違いありません。
一方で病院ではすべての緩和ケア患者様を受け入れる財源も設備もないことが社会課題になっていきます。

在宅医療に携わろうと考えたのは、これから5年10年先のことを考えたときに、私自身が病院だけではなく在宅の緩和ケアにも携わってみたいと考えたことがきっかけです。

今はファミリークリニックに入職してみて、病院と同じように在宅でも『PCT』(Paliative Care Team:緩和ケアチーム)を作ることで患者様やご家族の穏やかな療養生活を支えることができるのではないか、と考えています。—————————————————————
対談記事は以上になります。

医師や看護師など、医療従事者の方のご見学なども可能です。
▼緩和ケアや在宅医療に関するお問い合わせはこちらにご連絡ください。
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com

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