田代先生 ご退職のお知らせ
こんにちは。
9月も真夏のような暑さの日が続いていたので、秋が待ち遠しいですね🍁
この度、在宅緩和ケアセンター長の田代医師が令和6年9月末日を
もちまして退職することとなりましたのでお知らせいたします。
田代医師が担当していた患者様に関しては引き続き、当院の他の医師にて
診察させていただきますので何卒ご理解の程、よろしくお願いいたします。
田代先生が毎週開催していた「緩和ミニ勉強会」には、外部の訪問看護師さんや
ケアマネジャーさんなど多くの方がご参加くださいました。
最終回では、ご参加くださった皆様と、オンライン上でのやりとりが続きまして
「こういった勉強会の機会をいただけて本当に有難かったです!」などの
お声を頂きました。
これまでご参加くださった皆様、毎週開催してくださった田代先生
誠にありがとうございました。
また、田代先生は登山がご趣味ということで登山部のリーダーとして
高尾山や日光白根山にも一緒に足を運びました⛰
高尾山頂での皆さんの笑顔が素敵ですね。
最終出勤日には、スタッフよりお礼のメッセージや記念品をお渡しし、
喜んでいただきました😊写真から和気あいあいとした雰囲気が伝わりますね⭐
勉強会にご参加くださっていた遠方の外部事業所の方からいただいた
お菓子も一緒にお渡しさせていただきました。
改めまして、田代先生の新天地でのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
~自分も受けたいエンゼルケア~月刊*ファミクリWOCかわら版3月号_vol.29
WOC(ウォック)とは、褥瘡をはじめあらゆる創傷とストーマ、失禁分野について専門性の高い看護を実践できる看護師の通称です
2023年3月(Vol.29)
皆さま体調はいかがでしょうか?まだまだ冷えるこの時期ですが、花のつぼみや暖かい陽差しに春の息吹を感じてうれしくなります 🌸 3月は別れの時期でもあります。大切な方とのお別れに寄り添う、グリーフケアを兼ねたエンゼルケアをご紹介します。
在宅看取りの場合、医師の死亡確認があり、この時に身体の挿入物を取り除きます。死亡確認後、担当の訪問看護ステーションよりご家族へエンゼルケアの希望を伺い、承諾された場合にエンゼルケアを行います。
ご遺体への理解
死後いったん筋肉は弛緩しますが、 1~3時間後から下顎、3~6時間後から全身へ硬直が始まり、半日~ 1日の間にピークを迎え、その後再び弛緩していきます。
全身の皮膚の乾燥は循環が停止した直後から始まり、元に戻らない変化が起こります。まっ先に口唇にワセリンやリップクリームをたっぷり塗って乾燥を防ぎましょう。参考文献:小林光恵著訪問看護師のエンゼルケアhttps://www.ns-pace.com/article/a7664/
2.ご家族に準備して頂くもの
・ご本人らしい服装(本人や家族のお気に入りの服装、仕事が好きだった方は仕事着の場合も!)
・下着とおむつ(肛門等は分泌物が出ないように綿を鶏卵大入れますが、万が一分泌物が出た時に備える為)
・口腔ケアグッズ、シャンプー・リンス、ボディーソープ、バケツに40℃くらいのお湯、ペットボトル等の洗浄ボトル2本、
タオル3枚(都度蒸しタオル作成)、バスタオル2枚、ゴミ袋大3枚、レジ袋1枚、おむつや尿取りパッド5枚(洗浄時用)、
ドライヤー、保湿剤、本人の化粧道具
3.エンゼルケアの実際
・部屋の温度は低めにして換気を行います(ご遺体の痛みを最小限にするため)
・ご家族と一緒に行います(可能なら本人の好きな曲などをBGMにかけてくださいね)
・脱衣介助を行いお身体の下にゴミ袋とおむつを敷きこみます
・お顔のケア(蒸しタオルで汚れを浮かせて3回保湿剤を塗布)→口腔ケア→洗髪
→全身の泡浴(泡用ならそのまま、液体のボディーソープならレジ袋に2~3プッシュ+お湯 50㏄+空気を入れて袋
を振って泡を作り、全身に泡をつけて軽くマッサージします)
→全身にお湯をかけてやさしく拭く
・全身の保湿を行い、肛門等に分泌物が排出されないように綿をいれます
・旅立ちのお着換えをします
・エンゼルメイクを行います(ディスポのメイクパレットを持参し、肌色の調整を行います。女性の場合でしたら、ご本人の化
粧品を使用したり、「後でお孫さんにマスカラやマニキュアを塗っていただくと良いかもしれません」とお声掛けしていま
す)
・完成後にご遺体を後ろから支えて、ご家族とハグをしていただいたり、写真を撮っています
こういった一連の流れで「どんなお母さま(お父さま)だったのですか?」とご家族の皆さまの話を傾聴しています。お身体に触れながら、話の中で泣いたり笑ったりすることでご家族の心を慰め、グリーフケアに繋がるのではないかと思っています。
お写真によるWOC相談も承ります!!
お問い合わせやご相談など、お気軽に下記の「友だち追加」QRコードからLINEを頂けると幸いです (^^♪
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
野口祥子(のぐちやすこ)
皮膚・排泄ケア認定看護師
PCAポンプの性能比較
こんにちは、緩和ケアセンターの神林です。
以前に「在宅緩和ケアチームの疼痛緩和治療について」という記事で麻薬の投与についてブログで取り上げましたが、以前ご紹介したアキュフューザー(デイスポ注入ポンプ)の他に当院では小型シリンジポンプを採用しています。シリンジポンプの利点は流速の変更ができ、投与量を変更ことで疼痛コントロールを図ることが出来ます。(アキュフューザーにはこの機能はありません)
アキュフューザーは重さが軽くメカニカルな構造でないことが利点になります。
患者様の病状や在宅療養環境をアセスメントし最適な機器の提案をさせて頂きます。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック
緩和ケアセンター 神林
『ケアマネ版「ACP入門」』に登壇しました~在宅緩和ケアセンター~
こんにちは、在宅緩和ケアセンター 看護師長の神林です。
先月上旬に大田区介護支援専門員連絡会主催研修『ケアマネ版「ACP入門」』に在宅緩和ケアセンター長の田代医師とともに登壇しました。
ACPとはAdvance Care Planningの略で「今後の治療・療養について患者・家族と医療従者が予め話し合う自発的なプロセス」と定義されるものです。
最近では厚生労働省が「人生会議」と称して医療・介護従事者への啓発を勧めています。
ひとりの人間の死生観・生き方・死に方を尊重するためにはどうしたらよいか。答えが見つからない取り組みですが、「良い死」はひとつではなく、多様な価値観を汲み取れるような関わりが必要だと感じます。死に対して言及することに高いハードルがあることもありますが、患者様は普段関わりを持っているケアマネジャーを始めとする介護従事者へ、そっと本音を話されることもあり、在宅で関わるすべての職種に知ってほしい内容です。
すべての人に通じることはACPは臨死期に行うよりも健康な状態の時から折に触れ、何度も繰り返すことでより良い最期を本人が選択できる機会が多くなると思っています。
〜〜事例紹介〜〜 もしバナゲームをACPに取り入れた事例
講義後にはご参加いただいたケアマネジャーさんから嬉しいコメントもいただきました。
・今後も定期的にACPをテーマに研修を希望します。いろいろな事例を通じて更に深めたいです。
・最期を迎えるご本人、ご家族に寄り添いたいが故に技術と知識は必要であり、更にグリーフケアについても実践できる事が目標です
・ACPについて知らないことが多かったのでとても勉強になりました。ありがとうございました。医療は敷居が高いと感じていたので、医療側から橋渡しになってほしいと伺い、とても嬉しく思いました。今後、医療との連携に役立て、利用者さんの思いに沿った介護をしていきたいと思います。
励みになるコメントをありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック
在宅緩和ケアセンター
看護師長 神林
在宅緩和ケアセンターよりご挨拶
2020年10月から在宅緩和ケアセンター専任の看護師として配属になりました神林 顕です。
在宅緩和ケアセンター長の田代先生とともに地域の患者様・事業所様のお役に立てるよう頑張って参ります。
患者様に「質の高い緩和医療の提供と安心な生活を実現する」ためには、病院・居宅介護支援事業所・訪問看護事業所間のタイムリーな情報共有が重要と考えております。病状変化による治療方針の追加・変更等を広くお知らせします。
緩和ケアを実践には当院の訪問看護ステーションだけでなく、外部の訪問看護ステーションとの提携もしており、当院で定期的に開催している緩和ケアカンファレンスにも参加頂けます。コロナ禍の中、感染管理、分散勤務など隔てられる事が多いですが、人と人とを繋げられる役割を担えればと思っています。
【在宅緩和ケアセンターの役割】
こんなことでお困りではないでしょうか?
◯病院 様
①患者様・ご家族様が在宅療養を望まれているが、麻薬の使用やドレーンなど医療物品を使用していて退院後の療養に不安がある。
②ご家族に点滴交換の手技を覚えてもらいたいが、コロナの影響で在院中に家族教育ができない。
③病院で使用している薬剤・機材を在宅適用できるか分からない。
⇨退院調整の段階で在宅で使用できる医療機器の提案やその後の家族教育指導・療養環境のコーディネートを行い、スムーズな在宅移行を図ります。
退院前カンファレンスを開催して頂くとより状態が明確に把握でき、迅速に対応することが可能です。またケアマネジャーや訪問看護ステーションが決まってない場合は当院で手配致します。
◯緩和病棟・ホスピス 様
病状や本人家族の意向を把握し、円滑に緩和病棟・ホスピス登録を行います。
◯訪問看護ステーション 様
①病状の変化が把握しづらい。
⇨主治医と連携し病状の所見・情報をタイムリーに共有します。
②処置方法がわかりにくい。医療物品が足りない。
⇨必要な医療物品の準備を電話やFAX等で分かりやすく具体的に伝達し、指示内容を補足します。
③看護的な関わりや医療機器の扱いが分からない
⇨専門医や認定看護師等の院内外のリソースを活用し、勉強会の開催を致します。
◯居宅介護支援事業所 様
病状や治療方針が把握しづらい。
⇨主治医・MSWと協働し、病状変化に際しタイムリーな情報共有を行います。
緊急カンファレンスを開催し治療方針への本人・家族・医療・介護従事者の意思統一を図ります。
病院・外部事業所と院内多職種チームとの連携強化が図れるよう、コーデイネーター的な役割としてご活用頂けれてばと考えております。
よろしくお願いいたします。
医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック
在宅緩和ケアセンター
看護師 神林 顕
【理事長インタビュー】〈もしバナゲーム〉を利用したACP研修会の開催
こんにちは、事務局長の清水です。
本日はACP(Advance Care Planning)についてお話を伺っていきたいと思います。
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伊谷野:
本日のテーマはACPについてですね。
ーーーーはい。まずはACPとは何かという点から教えてください。
伊谷野:
ACP(Advance Care Planning)とは、
将来の変化に備え、
将来の医療及びケアについて、
患者さんを主体に、
そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、
繰り返し話し合いを行い、
患者さんの意思決定を支援するプロセスのことを言います。
厚生労働省が「人生会議」と名称付け、2019年11月に啓発用ポスターを作製したことで話題になったことも記憶に新しいのではないでしょうか。
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気や怪我をする可能性があります。
そのため、自分自身で前もって考え、周囲の人たちと話し合い、本人が望む医療やケアのことを共有することが重要です。
そして、心身の状態に応じて意思は変化することがあるため、何度でも繰り返し考え、その話し合いを重ねる過程を大切にしていきましょうという取組みになります。
ーーーーなるほど、概念を理解しました。その活動のひとつとして〈もしバナゲーム〉があるということでしょうか。
伊谷野:
そうですね。
当院のACPの普及活動のひとつとして、〈もしバナゲーム〉の勉強会への参加があります。
他の医療機関が開催した会に参加させていただいたこともありましたし、当院主催で地域の医療介護事業所向けに〈もしバナゲーム〉を用いたACP勉強会の開催もしました。
そのときの参加者の職種は、看護師とケアマネジャーが多かったですね。
参加者からは「〈もしバナゲーム〉を利用する事で自らを振り返る良いきっかけになった。」「是非担当の患者さんや家族とこの〈もしバナゲーム〉を使いたい。」という嬉しい声をいただきました。
ーーーー今後の活動で考えていることを教えてください。
伊谷野:
地道ですが、まずは地域の医療・介護職を中心にACPを身近に感じ、少しでも知ってもらう事が目的ですね。
〈もしバナゲーム〉がきっかけになればと少数や複数グループの実施など、大小で勉強会を開催していきたいと思います。
地域の居宅介護事業所や訪問看護ステーションなどからも各事業所のスタッフの間でゲームを行いたいとご希望がありましたので順次開催していきたいです。
医療職・介護職スタッフの間で〈もしバナゲーム〉を利用したACPが浸透することで、いずれそのスタッフと関わりのある地域の住民の方々に広く浸透することを期待しています。
医療・介護の現場においてACPはまだあまり実施されていないと言われています。
時間的制約がありつつも、どのように実践していくかという取組みは意義があると思っています。
また当院の在宅緩和ケアセンター長である田代医師より「がん終末期の患者さんに対してACPを実施することはなかなか難しい。他の医療機関の事例も極端に少ない」という意見もありました。
在宅緩和ケアを受ける段階は、時期として遅すぎるのではないかという意見もあり、たしかにACPを行うタイミングを見極めることに課題があると思います。
ACPは大切な取組みであることに間違いはありませんので、早いタイミングで実施していくことも重要です。
そのきっかけとして〈もしバナゲーム〉はゲーム感覚で気軽に実施でき、地域社会にACPを普及させるツールとして非常に有用な手段です。
これからも終末期医療を行う上でACP(Advance Care Planning)により事前に本人の意思表示することがますます重要になってくるといえます。
患者さんの人生観や価値観、希望に沿った、将来の医療及びケアを具体化することを目標に、より良い終末期医療を実践するため〈もしバナゲーム〉を活用してACPの普及を試みていきたいと思います。
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本日のインタビューは以上です。
▼在宅緩和ケアセンターへのお問い合わせはこちら
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com
もしバナゲームの研修会を開催いたしました。
こんにちは、事務局長の清水です。
先日、もしバナゲームの研修会を開催いたしました。
なぜ取り組んだかという点については、理事長の伊谷野にインタビューをしていますので、
ぜひこちらの記事をご覧ください。
当日は理事長 伊谷野と在宅緩和ケアセンター長の田代も参加して、
看護師さんやケアマネジャーさんとわいわいと進めることができました。
皆さんに感想を聞いてみると、意外と気づいていなかった自分の価値観に気づけるそうです。
改めて自分たちの仕事が好きだと再認識したという人も!素敵です。
ちょっとした時間にできる点が魅力のゲームになりますので、今後も定期的に開催していければと思います。
▼もしバナゲームにご興味のある方はご連絡ください。ぜひ多職種でやってみましょう
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com
「緩和ケア領域で活躍する現任のMSWと対象とした緩和ケアセミナー」に参加して参りました
皆さまこんにちは。
地域連携室 相談員の小島です。
先日に行われた「緩和ケア領域で活躍する現任のMSWと対象とした緩和ケアセミナー」に参加して参りました。
MSWとは、メディカル(医療)ソーシャルワーカーと呼ばれる、いわゆる医療現場における福祉の専門職で、病気を患った患者様やそのご家族を社会福祉の立場からサポートする職種のことを言います。
今回のセミナーでは医療現場をさらに緩和ケア領域に絞り込み、私たちMSWがどのような役割を担っていくべきかを概論を学びながら見出し、更に具体的に「SMART」というソーシャルワークの質向上プログラムを使ったグループワーク行ないました。
緩和ケア目的の中には、『多面的な苦痛を予防し和らげることを通して、患者様やそのご家族のQOL(Quality of Life:生活や生命の質)を向上させること』が挙げられます。様々な苦痛がある中で特に痛みや不安に目がいきがちですが、苦痛は以下の4つに分類されます。
①身体的苦痛:痛み他、身体状況・日常生活動作の支障
②精神的苦痛:不安、苛立ち、うつ状態
③社会的苦痛:経済的な問題、仕事上の問題、家庭内の問題
④スピリチュアルな苦痛:生きる意味への問い、死への恐怖、自責の念
私たちMSWは対人援助を基本とし、社会保障や福祉の知識をもって、患者様やご家族の不安の聞き取りや社会的問題の対応、自己決定のサポートを行なうことを求められています。訪問診療という場ではなかなか患者様やご家族と直接お会い出来る機会がないため、自分はまだまだ役割を担いきれていない部分を痛感しました。
そこで「SMART」というソーシャルワークの質向上プログラムでのグループワークでは、私達MSWを知って頂くということをテーマに掲げ、訪問診療の場で働くMSWと共に考察しました。
そこでまとめたファミリークリニックでのMSWの取り組みをここに掲載させて頂きます。
まず、ファミリークリニックでは週に1回、緩和ケアチームでのカンファレンスを実施しています。そこでは医師や看護師から病状のことをはじめ、患者様やご家族からのことば、ご様子などが共有されます。その場にMSWも参加し、情報から真の想いを探り、医療面以外でご提案できることが有れば情報を共有しています。実際に介護保険申請や緩和ケア病棟のご説明などを患者様にさせて頂いたケースもあります。
またご自宅で行なわれるカンファレンスやサービス担当者会議等にも出向かせて頂き、直接お話をできる機会を作っています。
患者様を支えるのは医療職だけではありません。福祉で携わるケアマネジャー、ヘルパーなどとも情報を共有し、安心安楽にご自宅で過ごして頂けるよう、多職種で連携するための連絡調整の役割も担っています。
ファミリークリニックでは様々な職種がチームとなって対応しています。
直接私たちMSWに不安や苦痛をご相談頂くことも可能ですが、普段なかなか直接お会いしていないMSWに、自分の想いを語るということは、誰もが抵抗を感じることと思います。普段から訪問させて頂いているスタッフに想いを伝えて頂くことで、チームで共有し、対応させ頂くことも可能です。
様々な研究の中には、生存期間よりも自分らしく生きることを求めた方がQOL(生活や生命の質)が上がると言われています。
「こんなこと言ってもいいのだろうか」ということでも、まずはその想いを聞かせてください。ファミリークリニックでは患者様1人ひとりの想いに寄り添った医療の提供をチームで行なって参ります。
今回のセミナーで改めて痛感したMSWとしての役割を実践できるよう、様々な職種と協働して患者様やご家族のQOLを向上出来るお手伝いをして参りたいと強く感じました。
地域連携室 相談員
小島
対談ブログ~在宅緩和ケアセンターについて 医師 田代 × 理事長 伊谷野~
こんにちは、事務局長の清水です。
本日は対談形式で当法人の『在宅緩和ケアセンター』についてご紹介いたします。
よろしくお願いいたします。
▼対談内容はこちら
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病院と在宅医療の違い~せん妄について~
清水:
本日は『在宅緩和ケアセンター』のことを中心にお話を伺えればと思います。
田代先生は病院のPCT(Paliative Care Team:緩和ケアチーム)などを経験した後、昨年より当院にて在宅医療に携わっていますが、病院と在宅医療の違いはありましたか?
田代:
そうですねー。
まずはじめに、せん妄の患者様の違いに気が付きました。
病院時代は半数以上はせん妄との戦いだったと思います。
しかし、現在の在宅医療の患者様を比較するとせん妄の方が極端に少ないです。
入院時にはせん妄に悩んでいた患者様が、ご自宅に戻ると驚くほど落ち着いているというケースも少なくありません。
この違いについては根拠をつけられていないのですが、医療面だけではなく療養環境の変化により状態が安定するという症例もあるように思います。
伊谷野:
確かにそれはありますね。
病院でせん妄の激しかった患者さんでも退院して自宅に戻ってくると、これまでの状況が嘘だったかのようにせん妄が良くなる事が多いんです。
これまでのせん妄軽快のケースのデータをまとめて在宅緩和ケアチームで振り返り、他の事業所と事例共有することで地域の成長にもつながるかもしれませんね。
今後の取組みとしてはどのような動きが良いでしょうかね?
田代:
退院時から時系列に患者様の状態を評価していくことが良いと思います。
そのデータが集まってくれば、せん妄が強くなる前に対応ができてくるかもしれません。
人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング )について
清水:
病院の医療従事者にもお伝えしていきながら、スムーズな連携が作れていくと良いと思いました。
その他、在宅医療に携わって気づきはありましたか?
田代:
2つ目は人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング )について考える機会が増えてきました。
ACPについて、概念自体は広まってきているものの、具体的な事例はまだまだ少ない状況だと感じます。
医療介護従事者だけではく、患者様やご家族に自分自身で前もって考え、共有することのきっかけ作りをしていくことが重要だと思います。
そこで当院はパンフレットでのご案内や亀田総合病院の先生方が監修された『もしバナゲーム』といったカードゲームを活用して、色々な方法を試しているところです。
伊谷野:
いいですね!
将来的にACPの具体的な取組みが他の地域にも広まっていくような機会も作っていきたいですね。
独居の患者様と在宅医療について
田代:
最後は独居の患者様についてですね。
結論から言うと『独居ということだけを理由に在宅に帰れないことはない』と感じています。
「自宅に戻りたい。自宅で過ごしたい」というご意向があれば、独居の方でもご自宅に帰ることが可能だとわかりました。
今振り返ると私の病院時代では、独居 ≒ 在宅には帰れないという考えが私を含めて病院の医療従事者に多かったように思います。
しかし、実際に在宅医療に携わっている上で、独居の患者様は全く珍しくありません。
在宅サービスが増えてきているので、他事業所や多職種との関わりで適切なサポートができれば、十分にご自宅で療養生活を送っていただけています。
伊谷野:
独居は連携が必須ですよね。
情報共有と事例を重ねていきながら、地域で支えていけるようになりたいと強く思います。
在宅医療と病院の連携についてはどのように感じていますか?
田代:
在宅医療から入院移行になるケースについて、病院に送るべきときとそうではないときの判断についても認識が変わったかもしれません。
在宅医療でできることは想定より多く、最初にお話したせん妄のケースは安易に入院しないほうが良いこともあります。
その他、脱水時に皮下注射を使って在宅療養でも点滴が可能です。
一方で病院に送ったほうが良いケースというのもあります。
例えば、持続的な鎮静が必要な時は病院で適切な治療を受けたほうが良いでしょう。
これからの医療のカタチとして『ときどき入院、ほぼ在宅』 という言葉通りのことを体感できていると思います。
これからの在宅緩和ケアセンターの取組みで考えていること
清水:
ありがとうございます!
質問が前後してしまいますが、最後に伊谷野先生には在宅緩和ケアに力を入れている経緯を、田代先生には在宅に携わるきっかけをそれぞれ教えてください。
伊谷野:
2005年開業時から、『断らない在宅医療』という基本姿勢を続けています。
その姿勢を続けていると、近隣の医療介護関係者からは対応が難しいケースをご依頼いただくことが増えてきます。
その中でも緩和ケアの領域は年々強く求められてきました。
そうなると365日24時間対応しつづける在宅医療に対して、私1人で対応できる範囲にも限界が訪れます。
その状況を変えながら1人でも多くの患者様に安心をお届けでするためには、院内院外関わらず同じ想いを持っていただける仲間が必要になります。
1人の力より、仕組みや連携でカバーしていこうという考えに至ったのです。
今回、田代先生が加わったことにより、これまでも力を入れていた緩和ケアにより一層厚みが加わったと思います。
緩和ケアの領域は、城南地区だけではなく、日本全体の課題になっていると思います。
田代先生には、ぜひ好事例を作っていただいて勉強会や学会などで発表を行い、在宅緩和ケアの底上げに貢献していただければと思います。
また、連携先の病院や訪問看護ステーションの先生や看護師さん、ケアマネジャーさんとも事例を通じてフィードバックしあえる関係性を作っていただきたいです。
成長できる連携をぜひ実践してください。
田代:
がんばります。笑
学会発表などもできると良いですね。
これから2025年、2030年に向けて、人口動態が少子高齢化になることは間違いありません。
一方で病院ではすべての緩和ケア患者様を受け入れる財源も設備もないことが社会課題になっていきます。
在宅医療に携わろうと考えたのは、これから5年10年先のことを考えたときに、私自身が病院だけではなく在宅の緩和ケアにも携わってみたいと考えたことがきっかけです。
今はファミリークリニックに入職してみて、病院と同じように在宅でも『PCT』(Paliative Care Team:緩和ケアチーム)を作ることで患者様やご家族の穏やかな療養生活を支えることができるのではないか、と考えています。—————————————————————
対談記事は以上になります。
医師や看護師など、医療従事者の方のご見学なども可能です。
▼緩和ケアや在宅医療に関するお問い合わせはこちらにご連絡ください。
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com
『がん患者の看護ー疼痛管理を主としてー』東京都ナースプラザ研修に参加しました
こんにちは、看護師の木本です。
先日、『がん患者の看護ー疼痛管理を主としてー』をテーマに東京都ナースプラザの研修に参加してきました。
がんによる疼痛は、人それぞれ痛みの部位や程度も異なります。
医療者として、患者様の感じる疼痛を適切に捉え、必要なときに正しい疼痛管理ができるように支援することが大切だと学びました。
患者様によっては、「ご家族や周りの人達に心配をかけたくないから、痛みを我慢する」「薬を使うことで慣れてしまうのが嫌だから、できるだけ薬は使いたくない」と仰る方がいます。
しかし、
・痛みは長時間続くことで身体に記憶されてしまう
・繰り返し痛みが加わることで、次第に痛みの感じ方が強くなる
・痛みの悪循環が起こる
医療現場で使われる薬や麻薬には、依存性がないことが証明されています。
辛い痛みを我慢して、耐えられないときに痛み止めを使っても効果はありません。痛みのない状態ができる限り長く続くように、適切なタイミングで「予防的に使用すること」がとても大切です。
そして、薬を使うことでの痛みと副作用のバランスを、患者様と医療者が一緒に共有していくことが大切だと感じました。医療者として、薬物に対する正しい知識を身につけ、患者様の体験している痛みを理解・把握しながら訪問看護をしていきたいと思いました。
看護師 木本