お知らせ・ブログ

2020.01.24

『独居で在宅看取りの患者様』のデスカンファレンスを行いました

こんにちは、看護師の神林です。

先日大田区の某病院で『独居で在宅看取りの患者様(A氏)』のデスカンファレンスを行いました。
「デスカンファレンス」とは亡くなった患者様のケアを振り返り、今後のケアの質を高めることを目的としています。

担当の佐々木看護師と田川理学療法士が症例を振り返り発表を行いました。

今回の症例は御本人の思いを汲み取り静かな最期を迎えられた、ある意味で成功体験と言えます。
定期的に多職種カンファレンスを開き、本人の意向を確認しつつ、自宅で過ごす上での必要な要素を検討していきました。

〈検討項目〉
・療養を進める上で今後ADLが低下することを予測し、立位・歩行バランス能力の維持・向上
・自宅環境に合わせ予測的に福祉用具を導入
・痛みや呼吸困難が強くなってしまったタイミングでの疼痛コントロール

〈結果〉
・本人が楽しみにしていたお風呂に入ることを臨死期間際まで行うことができました。

また本人の在宅環境の好要因として大家さんの存在がとても大きく感じました。
当該患者様の家はいわゆる借家のアパートで大家さんが『最期までここで暮らして構わない』と快く受け入れて下さいました。
もし、大家さんが自宅で亡くなることを躊躇された場合、本人は動揺し「迷惑がかかるなら自宅で最期を」と決められなかったかもしれません。

今後日本は高齢多死社会を迎え、2040年には65才以上の独居は全体の24.5%:890万人に及ぶことが予測されています。
また同年は2015年と比べ36万人死亡者数が増加すると推計され、医療機関以外における死亡も増加する見込みで「自宅での最期を迎える」ニーズも必要性も高まることが考えられます。

患者様御本人が亡くなってしまうことは悲しいことですが、どんな要因が自宅で過ごせるポイントなのか、経験の積み重ねを今後も行っていきたいと思います。

看護師
神林 顕

2020.01.14

在宅リハビリテーションセンター開設のお知らせ

ーーーー医療を通じて「安心して生活できる社会」を創造する。
当法人の理念のもと、このたび医療法人社団 双愛会(ファミリークリニック蒲田、ファミリークリニック品川)は『在宅リハビリテーションセンター』を開設いたしました。

患者様が在宅で過ごされるにあたり、医療×リハビリ×栄養の視点から生活をサポートいたします。


【在宅リハビリテーションセンターについて】

常勤医師 高橋 洋 たかはし ひろし 
日本リハビリテーション医学会専門医・指導医
日本心臓リハビリテーション指導士

【高橋医師のコメント】
今までリハ科を主体に総合診療的な要素を取り入れて医療をしてきました。

これまで、保健所、都道府県庁、急性期病院、回復期リハビリテーション病院、離島診療所など、医療と福祉を統合しなければならない場所で業務経験をしてきました。
その上で、地域にはリハビリテーションの役割が重要という考えにいたり、地域に根ざした医師として「自分の住みたいところで生き生きと生活してもらう」お手伝いをしたいと思っています。


【このような時にご相談ください】
・在宅生活に不安がある
・摂食・嚥下障害で困っている
・フレイルにより自宅内での歩行、移動に不安がある
・ベッドから車椅子までの移乗動作に不安がある
・脳血管障害、頭部外傷、神経筋疾患、内部障害、運動器疾患でお悩みがある
・回復期病棟への転院に時間がかかる
・入退院を繰り返す、等

【在宅リハビリテーションセンター 在籍スタッフ】
・専門医・指導医 :1名
・理学療法士   :7名
・作業療法士   :3名
・言語聴覚士   :1名
・管理栄養士   :1名

【お問い合わせ】
ファミリークリニック蒲田
大田区南蒲田2-4-19 ANTビル4F
TEL:03-5480-1810 FAX:03-5480-1823

ファミリークリニック品川
品川区大井1-55-6 牧ビル201号室
TEL:03-6424-4439 FAX:03-6735-4390

何卒よろしくお願い申し上げます。

2019.12.26

【理事長インタビュー】~2019年を振り返る~

こんにちは、事務局長の清水です。
師走を言い訳にインタビューブログを前回(先月掲載の第1回)で終了させてしまうところでしたが、年末ギリギリのタイミングでお話ができました。

それでは、伊谷野先生よろしくお願いいたします。

▼伊谷野先生のインタビューはこちらから
—————————————————————

ーーーークリスマスが終わったタイミングですので、2019年を振り返りたいと思いますがよろしいでしょうか?

伊谷野:
色々あったので忘れちゃってますよね。笑

ーーーーGoogleカレンダーを見ながら、まずは上半期から振り返りましょう。(*当院は主にGoogleカレンダーでスケジュール管理をしています)

伊谷野:
改めて振り返ると例年に比べて人材育成について考える機会が多かったですね。

ーーーーと、言いますと?

伊谷野:
多職種で良い人材が続々と入職しています。
在宅医療は院内外含めた意味での『多職種のチーム力』が地域の安心につながると確信しているので、個々の力が発揮できる仕組みづくりは中長期的に取り組む内容ですよね。

ーーーー医師で言うと、上半期は西原先生の職場復帰と浅井先生の入職がありましたね。

伊谷野:
そうですね。医師以外の職種でも、産休育休取得者や子育て中の職員が増えてきましたので、時短勤務やフォロー可能な複数名体制のオペレーションを活用しはじめましたね。
働きやすい環境は今後も職員の意見も取り入れていきながら模索していければと思います。

また、浅井先生は若手のうちから在宅医療に携わりたいということで常勤医師として入職しました。
近年では若手の先生からそのように言っていただけるケースが増えてきたので個人的にも嬉しいです。

浅井先生の患者さんやご家族の声に耳を傾ける姿勢からも伝わる真摯な対応は、安心を感じていただけているのではないかと思います。
これからも良いところは活かしていきながら在宅医療ならではのキャリア形成を続けてほしいですね。
院内に目を向けても、浅井先生の入職で職場が活気づいたと感じますので院内外に好影響を与えていると思います。

ーーーー当院でも日本在宅医学会 認定施設としての研修プログラムがスタートしました。

伊谷野:
教える立場としても、知識や技術の棚卸しをする良い機会になりました。
在宅医療に興味のある先生から「胃ろうや腎ろうの交換に不安がありますが、大丈夫でしょうか?」「経鼻胃管チューブの対応に不安がありますが、大丈夫でしょうか?」といった手技に関わる質問が多いのでこの場で回答します。それらは意欲があれば問題ありません。
専門の違う様々な診療科の先生から学べますし、不安な領域があれば同行しながら覚えることができる職場環境です。

ーーーー話は変わって2019年6月でファミリークリニック品川が開設1周年を迎えました。

伊谷野:
そうですね。三原先生がファミリークリニック品川の院長に就任して、三原先生を中心に法人の基本方針である『断らない在宅医療』を実践していただいています。
地域の特性もありますが、想定したよりも医療依存度が高い患者さんの割合が多いですよね。
加えていわゆる困難事例も多いですが、三原先生チームの日頃の迅速な対応に感謝ですね。

実際ひとつひとつの事例に向き合っていく中で、先日ケアマネジャーさんより「新規対応や緊急往診時の迅速さが頼りになります」とフィードバックをいただきました。
本当に有り難いし、励みになる言葉ですよね。

ーーーー嬉しいですね(^^) 下半期のトピックスは田代先生の入職と在宅緩和ケアセンターの開設でしょうか?

伊谷野:
下半期もかなり大きな変化がありましたね。
日本緩和医療学会認定医の田代先生の入職により、当法人が日本緩和医療学会 認定研修施設になりました。

もともと当法人が断らないという姿勢で日々の診療を行っていると緩和ケアの領域を求められることが多かったので、田代先生の入職により、地域に求められている領域にさらなる厚みをもたせることができました。

そして、日本緩和医療学会 研修施設の認定とともに地域に『在宅緩和ケアセンター』開設をお知らせすることにしました。
さきほどお話したような若手の先生や緩和ケアに興味のある多職種人材の育成の場という観点からも非常に頼りにしています。

ーーーーいまさらの質問ですけど、そもそもなぜ緩和ケアの領域は難しいと言われているのでしょうか?

伊谷野:
100人いれば100通りの調整が必要という点ではないかと思います。

緩和ケアの領域は科学的に手順通り対応していくわけではなく、患者さんに穏やかに安心して生活していただくために、様々な背景を考慮していきながら行う薬の調整や他サービスとの連携を考え調整していくオーダーメイドの対応になります。これは人材育成を含めて、言葉以上に難しいですね。
私自身も当然すべてを1人で対応できるわけではないので、院内外のチーム力が求められます。

ただ、難しい領域だからこそ、当院で掲げた『成長のできる連携』をテーマに関わる人が安心できる地域社会づくりに力を入れていきます。
下期からは、顔の見える連携をもう一歩踏み込んで『成長のできる連携』を目指して、近隣の病院や訪問看護ステーション、居宅介護事業所などと合同カンファレンスや勉強会を積極的に行っています。
日頃の振り返りとしても良い効果が出ていると思いますので、継続していければと思います。

ーーーーありがとうございます。そろそろお時間がきてしまいました。来年初回のインタビューは2020年の方針のお話でよろしいでしょうか?

伊谷野:
そうですね。年末年始に改めて考えてみます。笑

2019.12.26

【医事課】インフルエンザ予防投与時の保険診療ルール

今年も残りわずかとなりました。
医事課 船生です。

来年は2年に1回の診療報酬改定が行われ、医事課にとっては通常以上に忙しい年度となります。

さらに、今、流行注意期であるインフルエンザも年明けには、例年でいけば流行期になっていきます。

インフルエンザに罹患すると集団感染がおこるため、皆様、年末年始は体調管理に気を付けてください。

対策としては、こまめな手洗い、室内の加湿・換気、十分な休養、栄養、水分補給さらには、外出時のマスクの着用等、自身を守りましょう!

ということで、今回はインフルエンザについて書いてみることにしました。

インフルエンザに罹患すると高熱、関節痛、倦怠感、咳等が強く現れます。
小児ではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している人では肺炎を伴うなど、重症になることがあります。

インフルエンザワクチンを予防接種することで基本的には重症化を防ぐことができます。

しかし、それでもかかったかもしれない場合には、医療機関では下記のことを行います。

・インフルエンザ簡易キットによる検査
・感染していたらインフルエンザ薬の投与

ここからは保険診療のルールについてです。
インフルエンザ予防投与についてはなかなか保険診療ルールがわからないこともあるかとは思うため、下記に記載します。

【予防投与について】
・65歳以上
・気管支喘息、COPDなどの慢性の呼吸器疾患
・心不全、狭心症などの慢性の心臓病
・糖尿病などの代謝性疾患
・慢性腎臓病
などの方で、家族を含め同居している人がインフルエンザにかかった場合や
・入学試験、採用試験前
など重要な節目を控えている方等に予防投与が行われます。

※予防投与は保険を使うことができない為、自費診療となります。
(ただし、混合診療外です)

当院としては以下の流れで予防投与を行います。

・予防投与される方の診察を行います。
・インフルエンザ薬の予防投与について理解・同意をいただいた上で、処方いたします。
・予防投与診察代として¥4000-の費用がかかります。
・さらに院外処方のため、薬局でもインフルエンザ予防薬の自費代金がかかります。

このことからも、生活にさらなる出費が降りかかってしまいますので、各自がインフルエンザ対策をしっかりと行い、良い年末年始をお過ごしください。

医事課
課長 船生

2019.12.26

もしバナゲーム

こんにちは。ファミリークリニック品川 地域連携室の中川です。

ここのところ、お笑い芸人の小藪さんのポスター問題で良くも悪くも注目を浴びている「人生会議(ACP)」ですが
私自身、親の介護を見据えたうえでACPに興味を持ち、話題の『もしバナゲーム』を購入してみました。
ゲーム形式でそれぞれが人生の最期において何を望み何を重要と考えているのかを話し合ういい機会になると思います。
お正月休みに実家の両親とやってみようかと考えています。
今後はカンファレンスや勉強会などで活用できればと思っています
蒲田でももしバナゲームを実際やってみようという企画をしています。
ご興味のある方はぜひご参加ください。
ファミリークリニック品川 地域連携室 中川
2019.12.25

ファミリークリニックの看板

こんにちは ファミリークリニック蒲田 地域連携室 坂本です。
新規患者様家族へ初診前の医療費説明で患者様家族から以前昭和医大の帰りに看板を見ましたよとお話頂きました。
看板を見て下さりお話頂いたこと、とても嬉しい気持ちになったひと時でした。

昭和大学病院近く旗の台サテライトです。

 

2019.12.18

🍙『在宅医療で知っておきたい!〜低栄養について〜』勉強会を開催しました🍙

ファミリークリニック 管理栄養士の青山です。
11月に蒲田院12月に品川院にて『在宅医療で知っておきたい!〜低栄養について〜』と題して勉強会を開催しました。

低栄養予防と改善のための食事の工夫についての説明に加え、企業の方を招いて新しく発売された高濃度の医薬品栄養剤のご紹介をさせていただきました。

高齢者は特に低栄養になりやすく、栄養状態が悪くなってしまうと回復するのにも時間がかかってしまいます。
早期発見のポイントや注意点、対策について院内外の先生や看護師、ケアマネジャーの方々に少しご紹介できたのではないでしょうか。

また、少量でも十分な栄養をとることができ、これまでの栄養剤とは味の傾向が違う商品ということもあり、今回は新商品の高濃度医薬品栄養剤をご紹介させていただきました。
さっぱりした風味で甘すぎるのが苦手な方や他の栄養剤の味に飽きてしまった方にもおすすめできると思います。

食事だけで十分な栄養を摂ることができれば一番良いと思いますが、栄養を十分にとりきれない方、胃瘻の方向けの商品は食品・医薬品ともに日々新しいものが出てきています。
今後も新しい商品、おすすめの商品など多くの方に知って頂き、皆様の選択肢を広げていくお手伝いができるような勉強会を企画していきたいと考えています。

管理栄養士
青山

2019.12.16

勉強会実施のご報告~ご自宅での急変対応~

こんにちは、事務局長の清水です。

居宅介護支援事業所のスマイルライフケアさんと合同で、ケアマネジャーさんやヘルパーさんなどを中心にご参加いただき、勉強会を開催いたしました。

テーマを『ご自宅での急変対応』としまして、当法人理事長の伊谷野が講師を務めました。

利用者さんや患者さんの急変時の第一発見者が介護職の方々であることは少なくありません。
そのような急変時対応が必要なときに本テーマを思い出していただき、いざというときに慌てずに対応する状態を目指いきましょうということで開催しています。

構成は、腹痛、頭痛、胸痛、嘔吐、悪寒・発熱、転倒、意識障害、呼吸苦、糖尿病の緊急事態などの場面を想定していきながら、それぞれの項目については注意点と対処法にわけて解説していきましたので、腹痛を一例にして一部抜粋いたします。

—————————————————————

◆腹痛

【注意点】
・消化器系、循環器系、泌尿器系、婦人科系など多種多様な病気の可能性あり
・安易な薬の服用は要注意
・重症でもあまり痛みが強くない場合もある
・吐き気、嘔吐を伴うとき、窒息などに注意する。また、吐物を素手で触らない(感染物として取扱う)
・下痢や便秘など、排便状況を把握する

【対処法】
・横になる場合には側臥位(そくがい/横向きの体制のこと)にする

—————————————————————

当法人では医師、看護師、救急救命士などで緊急往診チームを構成し、担当患者様に365日24時間緊急往診できる体制を作っています。
今回のような突発的な事例の対応は押させておきつつ、お困りのことがあれば当法人にご連絡いただき、速やかな連携が取れればと思います。

また、今回開催して印象に残ったことは、「現場で困っていることについて、実際に医師と情報交換できたことが嬉しい(切実に。。)」というコメントでした。
今後も定期的にこのような取組みを開催していきながら、密度の高い地域連携を目指していければ幸いです。

▼勉強会のご希望や地域連携活動のご相談等があれば下記にご連絡ください。
医療法人社団 双愛会
事務局長 清水 雄司
y.shimizu@twinheartmedical.com

2019.12.06

がん症例検討会に参加しました

こんにちは。作業療法士の吉田です。


11月27日(水)に大森赤十字病院で行われましたがん症例検討会にて病院を退院された後、訪問診療で担当させていただいている患者様の看護・リハビリテーション経過を発表させていただきました。

リハビリ場面を動画でご紹介することもでき、一生懸命リハビリに励まれている姿を主治医の先生や以前、担当されていた看護師さんにも見ていただくことができました。「患者様が頑張っている姿を見れて、私達も明日からのやる気につながりました。」と嬉しいお言葉をいただきました。

また、患者様の外来受診に合わせ、書面でリハビリ経過をお伝えしていましたが、このようなカンファレンスの場で、実際に主治医の先生とお会いして情報共有をさせていただけたことが訪問のスタッフとしては大変ありがたい時間となりました。

 今後の課題として、大森赤十字病院の看護師長様から、病院と訪問の現場では必要な情報が少し違う場合もあるので、お互いに必要な情報共有をしていきましょうというお話がありました。リハビリテーションの場面においても病院との連携を図る際にお互いに有意義な医療連携ができるよう心がけて行きたいと思います。

最後に、顔の見える医療連携が私達スタッフの安心につながり、結果的に患者様やその御家族のご安心につながっていくのだと改めて、今回のカンファレンスを通して感じました。このような機会を設けてくださいました大森赤十字病院の皆様ありがとうございます。

訪問リハビリテーションに興味のある方がいらっしゃいましたら
s.harada@twinheartmediccal.com
理学療法士 原田までご連絡ください

2019.12.06

🍙栄養豆知識〜『フレイル予防対策における日本型食生活の役割』研修報告〜🍙

こんにちは、管理栄養士の青山です。

『食育健康サミット2019』に参加してきました。

今回のテーマは、
   人生100年時代の健康と栄養を考える
    ーフレイル予防対策における日本型食生活の役割ー でした。

来年度から75歳以上の後期高齢者を対象にフレイル健診がはじまります。
メディアではメタボや糖質制限が話題となっていますが、健康寿命を伸ばすためには、どこかでフレイル対策に切り替えていく必要があります。
減量や低カロリー、糖質制限ではなく、高齢者の場合はご飯を主食とした日本型の食事を大事にしていく必要があるのではないでしょうか。

研修の内容を簡単にご紹介します。

◯フレイル予防につながる3つの柱『栄養(食と口腔)、運動、社会参加』
 食べ物の種類も大切ですが、食事をとるためには口の中の環境を整えることも大切です。
 歯科の先生や歯科衛生士さんの関わりも重要になってきます。また、運動をするだけよりも人との関わりや役割などもフレイル予防には重要で、社会参加できる場を作っていくことも大切です。

◯糖質摂取のあり方
 メディアでは糖質制限の利点についての情報が溢れ、実践している方も多いと思いますが、最近出てきている研究結果では、糖質のエネルギー比率が50〜55%で死亡リスクが一番低くなるそうです。
 糖質を制限しすぎるのもいかがなものでしょう。
 また、継続して糖質制限を行う場合には、高齢者は特に腎機能に注意が必要です。

◯ごはんを主食とした日本型食生活
 ごはんは和食だけでなく洋食、中華など様々な料理に合う食品で、おかずと一緒にたべるため、様々な栄養素を一緒に取り入れることができます。
 また主食(ご飯、パン、麺類)・主菜(肉・魚・卵・大豆製品)・副菜(野菜・きのこ・海藻類)をバランス良く組み合わせると、糖質のエネルギー比率は55%前後となり、死亡のリスクが低くなる糖質エネルギー比率になります。
 特別な疾患がある、短期的な減量は必要という方以外は、日本型の食事を大きく変える必要はないのではないでしょうか。

◯栄養と運動
 栄養と運動は健康を維持するための両輪です。
 病院に入院している1日で自然に(加齢とともに)減る1年分の筋肉が減ってしまいます。
 フレイル予防、健康寿命の増進のためにも適切な食事と効率の良い運動が必要です。

フレイル健診の開始に伴い、もっとフレイルに興味をもってくれる方が増えていくでしょう。
今後、リハビリと一緒にフレイルについての情報提供も行っていく予定です。
よろしくお願いします。

管理栄養士
青山 祐子

1 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22