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2022.05.20

~訪問中によく観る失禁ケアについて~月刊*ファミクリWOCかわら版5月号_vol.19

WOC(ウォック)とは、褥瘡をはじめあらゆる創傷とストーマ、失禁分野について専門性の高い看護を実践できる看護師の通称です

2022年5月(Vol.19)

新緑の季節到来ですね!過ごしやすくなりましたが紫外線の最も強い時期ですので、UVケアには力を入れましょう。新緑のパワーを吸収して無理なくいきましょうね 😊 今回は訪問中によく観る失禁ケアについてお話します。

1.おむつの中の環境を考えてみましょう
(図1)

(図1) 日本衛生材料工業連合会:衛生関連製品・紙おむつについてhttps://www.jhpia.or.jp/product/diaper/data/structure.html  一部改変

WOCの勉強を行う中で、おむつの中は「高温多湿」とよく教えられてきました。しかし経験を積む中で、おむつの進化や患者さんの皮膚を見ていると単なる高温多湿ではないのだと感じています。 

なぜなら、訪問時におむつ交換を行うと患者さんの皮膚は高温ではなくむしろ低温であり、排せつ物が付着していない時は臀部はさらっとしていることもあるのです。

2.お尻を強く拭かないこと、尿とりパッドは引き抜かないこと

図1を見てみましょう。おむつに排出された尿は「表面材」を通過し、「吸収材」で一度吸収した尿を逆戻りさせない特徴を持っていますが、坐位や臥位で重力が加わり、湿った材質のものが皮膚に接触し蒸れやすくなっています。
また、臭いのきつい感染尿や濃縮尿、便は表面材を通過できないため、その水分が皮膚に加わると角質細胞が膨潤し、細胞間の結びつきがルーズになり「浸軟(ふやけ)」が起こります。浸軟した皮膚は、臀部の拭き取りやパッドの引き抜きなどの外力ですぐに破綻し、IAD(失禁関連皮膚炎)となるのです。
 病院でも在宅でも、排せつ物を取り除こうとお尻を懸命に拭いている方が多い傾向にあり、写真のように容易に皮膚が破けます。
パッドは引き抜かず、患者さんに横になってもらって取り替えましょう。

 次回はIADの機序についてお話しますね!

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医療法人社団 双愛会
ファミリークリニック蒲田・品川・多摩川
野口祥子(のぐちやすこ)
皮膚・排泄ケア認定看護師
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