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2020.07.22

認知症の心理・行動 医師ブログ~BPSD(認知症の心理・行動的問題)について~

皆さま、はじめまして。
在宅認知症センター長の坂戸 美和子です。

令和2年4月1日、在宅認知症センターが開設されました。「在宅」で認知症を見るって「わっ、大変!」っていうイメージでしょうか?それとも「家族が認知症になったらどうしよう?」「自分も認知症になったらどうしよう?」でしょうか?

認知症は、脳の衰えの病です。認知症の症状は、多岐にわたりますが、私達のところに寄せられる相談は、ほとんどがBPSD(認知症の心理・行動的問題)と呼ばれる症状です。これは認知症の二次障害と呼ばれるもので、二次障害は、一次障害をベースとして引き起こされるものです。

では、認知症の基本症状は何でしょう?それは『記憶障害・見当識障害(日時場所がわからなくなる状態)・理解判断力の障害』です。

自分がどこにいるのか、今という時間はいつなのか、自分の目の前にいる人は誰なのか、今さっき起きたことを丸ごと忘れてしまいます。そしてそれにより、それまではごく普通にできていたことができなくなっていきます。ごく普通にできていたこと、それは料理・洗濯・掃除・日々のお買物など生活全般に及んでいきます。それらの一次障害は中核症状と呼ばれますが、二次障害として起きるBPSD((認知症の心理・行動的問題)とは異なるもので、進行を止めることはできません(一部は薬物療法により進行を遅らせることができる場合もあります)。

一方、BPSD(認知症の心理・行動的問題)は、中核症状に環境要因・心理要因が重なって引き起こされるものです。環境要因には、その人のそれまでの人生の歩み、家族との関係性、過去の重要な出来事、仕事など様々なものが含まれ、それは心理要因と密接につながります。

このブログでは、認知症の心理・行動を、一精神科医としての視点から、情報として発信してまいりたいと思います。

医療法人社団 双愛会
在宅認知症センター
センター長
坂戸美和子
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