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2021.04.13

【対談ブログ】在宅医療と診療アシスタントのキャリア

本日は診療アシスタントの中川さんと理事長の伊谷野先生の対談です。

中川さんは診療アシスタントや地域の医療介護連携の業務に携わり、現在はファミリークリニック品川で院長の三原先生と日々訪問診療を行っています。またご家庭では4人のお子さんがいて、趣味の韓国ドラマ鑑賞や旅行をご家族で楽しんでいます。

・医療業界に興味はあるけど、未経験なので自分に適性があるか不安に思われている方
・子育てなどでキャリアにブランクがあるけど、一段落して新しい職場を探されている方
・在宅医療という言葉は聞いたことがあるけど、診療アシスタントがどんなことをしているか知らない方 などなど

中川さんの実体験を含めて聞いてみましたので、ぜひご一読ください(^^)

▼対談内容はこちらから
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ーーーーファミリークリニック蒲田に入職したきっかけは何ですか?

中川:
知人紹介になります。子育ては一旦は落ち着いてきたこともあり、ブランクがあっても収入を確保できる、また正社員として働ける職場を検討していたところでした。

人と接することが好きで、社会貢献性が高いと思っていた医療、介護、保育業界あたりで検討をしていました。

医療業界に携わるなら看護師の資格取得を選択肢に入れていました。ただ、学校に通うなら3年かかるーーー年齢的に大丈夫か?そもそも私に適正があるのか?など、ちょうど悩んでいる時でした。

そんな時に、地元のママ友でもある知人に当院の診療アシスタントの仕事を紹介をしていただいたんです。

「中川さんに合ってると思うのよ~」って。笑

医療業界に携わるなら資格がないと難しいと思っていたので、医療業界の資格がなくても働ける、そこで興味や適性があれば続けることもできるという点が有難く、応募しました。

ーーーーファミリークリニック蒲田で働いてみた感想はどうでしたか?

中川:
最初は不安もありましたが、働いてみたら想像以上に良かったです。

医療に携わる仕事なので表現が適切ではないかもしれませんが、仕事に行くのが楽しい、ワクワク、といった感じですね。看護師の資格を取らなくても十分やりがいを得られています。

伊谷野:
仕事に行くのが楽しい、ワクワク…良いですね~。どんなところが良かったですか?

中川:
人生の大先輩方とお話ができて、接することで色々と吸収できて嬉しいですね。お話していて楽しいです。

あとは患者さんやご家族のお役に立てていると感じられると素直に嬉しいですね。お声がけいただいたり、お手紙をいただいたりと励みになります。

先日もがん末期で日中独居状態の患者さんがいらして、病院や関係者、ご家族もご自宅にずっといらっしゃるのは難しいと判断しているケースがありました。

伊谷野:
いわゆる介護力が低い状態だったわけですね。

中川:
はい。ご本人は自宅にいたいというご希望でしたが、ご家族も訪問診療の導入時は不安になっていたと思います。

ただ、三原先生と訪問看護師さん、ヘルパーさん、薬局さんなど関係者でサポートを続けていくうちに「最期まで自宅で過ごそう」という考えに至り、そのままご自宅でお看取りさせていただきました。ご家族も関係者も含めて、1つのチームのようにみんなで喜んでいたことが印象的です。

三原先生の「自宅でのお看取りはご本人の意向とご家族の覚悟さえ決まれば大丈夫!」という方針は、関係者には心強かったのではないかと思います。

伊谷野:
まさしく”安心”をご提供できたケースですね。最初は「自宅で最期までは無理でしょ」となっていても、最期はご自宅でお看取りになるケースは年々増えていますよね。我々ももっと在宅医療のことを知っていただけるように発信していきたいですね。

中川:
はい、それ以外でも患者さんと接する数だけエピソードはありますが…。

80代女性で大動脈瘤があり、いつ破裂してもおかしくない方とのお時間は印象的でした。

手術の選択肢もありましたが、ご本人は手術は望まず在宅医療を選択されていました。最期まで自分のいたい場所で過ごしたいーーーと。訪問診療の際には「中川さん、中川さん」といつも笑顔でお話してくださいました。とてもかわいい笑顔の方です。

そこからある日、大動脈瘤が破裂し救急搬送されました。そのときも手術の選択肢もあったようですが、ご家族としては本人の意志を尊重することにしました。クリスチャンの方だったので、牧師さんに病室に来ていただいて、ご家族とともに賛美歌を歌ったそうです。そして最後の”アーメン…”という言葉とともにお亡くなりになりました。

このお話を後日聞き、患者さんの気さくなお人柄やかわいい笑顔を思い出して涙が止まりませんでした。ただ、きっとこれがご本人が望まれていたことなんだなと感じ、携われたことに感謝しています。

ーーーー素敵なエピソードですね。もっと聞きたいですが…話題を変えて診療アシスタントの役割について教えてください。診療アシスタントはどんな役割でしょうか?

中川:
一言でいうと「先生や看護師などの専門職と患者さん・ご家族をつなぐ役割」が診療アシスタントではないかな、と思います。

診療アシスタントは医療の専門資格はありません。だからこそ、患者さんやご家族に近い存在として、伝えづらかったことや聞けなかったことを補足できる立場だと思っています。

伊谷野:
まさに大事な役割ですね。

医師や看護師などの専門職種同士の会話だと医療的な会話で完結してしまうことがあります。これは思いやりがある、思いやりがないというわけではないですが、真剣になるほど医療寄りの会話に終止してしまうこともあり得ますね。

気をつけないと、患者さんやご家族を置き去りにしてしまう状態を作ってしまいます。

中川:
はい。そこで私たち診療アシスタントは患者さんやご家族の視点で情報を伝えることができると良いと思います。

伊谷野:
診療アシスタントのきめ細やかな気遣いに私自身も何度助けられたことか…本当にありがとうございます。

在宅医は医学的対応をすることだけがすべてではありません。もっと大事なのは「患者さんの希望に近づけること」です。

診療アシスタントから得られるさりげない情報により、患者さんのご希望に近づけられるように修正できています。

自分1人で情報収集するには限界がありますので、医師以外の視点で集めた診療アシスタントの情報はとても大切ですね。

診療アシスタントの役割をもうひとつ加えると「医師のタイムキーパー」ですね。

やるべき診療は優先しつつ、1日に何件か訪問をする必要があります。そのときにタイムスケジュールや訪問スケジュール、ケアマネジャーなど関係者の同席調整のサポートをしてもらえるのは非常に助かっています。

ーーーー4人の子育てと仕事の両立で工夫していることはありますか?

中川:
正直、子育てと仕事の両立は大変です。笑
ただ、職場にはお互いにフォローする雰囲気があるので助かりますね。事情がある時は快くフォローしていただけましたし、その逆もあります。

この雰囲気は伊谷野先生の方針の影響もあったからではないでしょうか。そのあたりはいかがですか?

伊谷野:
そうですね。私自身メリハリが好きなので、職員にはプライベートも大事にしてほしいと思っています。そのためには都度業務の見直しをして、時代の変化に柔軟に合わせていきたいですね。

あと私は主婦の方や子育てしている方と診療アシスタントとの相性は良いと思っています。
子育てとケアは近いものがあると感じているので、自然とうまく接している方が多いです。

中川:
私の面接のときにも同じ説明をしていただきました。たしかに近いものはあると思います。

あとは子どもたちの理解があったので仕事はしやすかったです。三女はもともと美容の仕事をしようと考えていたのですが、今は看護師になっています。

学校面接のときに、医療業界で仕事をしている母が楽しそうにしていて、そこから看護師に興味を持ったと話していて嬉しかったです。今はその看護師の娘と医療業界のちょっとしたことを話していますね。笑

中川さんの母娘ツーショット。看護学生時代の三女さんが訪問看護の見学をしたときの一枚です。

ーーーーありがとうございます。最期にメッセージをお願いいたします。

新しいことにチャレンジする雰囲気が当院にはあります。良さそうなものは取り入れてみたり、一方で初めたことに対して変には固執にせず、ときには前のやり方に戻ったりもしています。

今回は私のことを中心に話をしましたが、年齢や男女問わず ”人と接することが好き” ”チャレンジが好き” という方に診療アシスタントは向いているのではないかと思います。

診療アシスタントはほとんどの人が未経験からスタートしているので、医療業界に興味がある方はぜひ検討してみてください。

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よろしくお願いいたします。

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