お知らせ・ブログ

2020.05.31

【理事長インタビュー】在宅医療クリニックのIT活用について

  • こんにちは、事務局長の清水です。
    本日は在宅医療クリニックのIT活用について、理事長の伊谷野にインタビューしました。

清水:
当院ではIT活用が加速してきていると思います。電子カルテのクラウド化はもちろんのこと、電子カルテではできない機能についてはGoogle社のG SuiteやCybozu社のkintone、その他でも様々なITサービスで補完していますね。

改めて伊谷野先生は在宅医療クリニックのIT活用については、どんなことを考えて導入しているでしょうか?

伊谷野:
言うまでもないですが、在宅医療サービス(訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーション、訪問栄養指導など)をご提供する上で、もはやクラウド化は欠かせないですね。訪問診療の場合、クリニックから5kmくらいまで離れた場所で診療を行いますからね。

どんなことを考えてIT導入をしているかという点については、一言で『法人理念・行動規範』に合っているか合っていないのかということを考えていると思います。

清水:
法人理念は『医療を通じて「安心して生活できる社会」を創造する』ですね。行動規範は『向上心・柔軟性・誠意・敬意・チームワーク・効率性』になります。確かに効率性というキーワードは親和性高いように感じます。

伊谷野:
法人理念や行動規範のことを掘り下げると今回のテーマの時間がすべて終わってしまうので今回は割愛しますね(笑)。法人理念や行動規範と照らし合わせながら『患者様・ご家族と直接コミュニケーションをすべき時間』と『それ以外の時間』に分けて考えていたように思います。

医師が最も『安心』をご提供できる時間は何か?ーーーそのことを追求すると、それは患者様やご家族と対話できている時間です。この瞬間はとても大切で、簡単に効率化ができるものでもありません。

しかし、それ以外の時間ーーー例えば、同じ内容を別々の紙に記載しなければいけない時間や欲しい情報を探す時間などはムダな時間になりますね。そのような領域はトコトン追求して削減し、医師やそれぞれの職員が本来やるべき大切な時間に力を注げる体制を意識しています。

清水:
本来やるべき仕事に集中する。言葉では理解しているつもりですが、気づけばやらなくても良かったことに時間を費やしてしまうことは結構心当たりありますね。

伊谷野:
私もありますけどね。笑
だからこそ、日々のルーティン業務を当たり前のことにしないように気をつけるようにしています。定期的に業務を振り返る時間は必要ですよね。ここって省けないかな?とかここは別の方法でできないかな?とか。そのような時に、進歩が著しいIT技術がピタッと当てはまる時があります。

清水:
なるほど。
ここ最近の環境を振り返るだけでも紙をプリントアウトすることがかなり少なくなったと感じています。
ITサービスは年々増えていますが、IT導入で失敗したことはありますか?

伊谷野:
それは恥ずかしながら失敗だらけですねー。
やっぱりシステムは使ってみないとわからないので、そもそもやりたかったことができなくて意味ないじゃん(汗)ってこともありました。

清水:
費用かけて活用できない状態だと苦しいですね。

伊谷野:
そうですね。
なので、IT導入時に気をつけていることのひとつには、『最低限これだけは成し遂げたい』という項目に絞って考えています。こんな機能もつけたい!あんな機能がほしい!と盛り込み過ぎると目的がブレてしまうことがあるからです。

加えて使った後にある程度の『修正ができるか?』という点はとても大事です。多大なコストをかけて完璧で素晴らしいシステム作りを目指すよりも、『小さく早く始めることができて、後で修正もできる』というシステムを選んだほうが業務に合わせやすいなと思います。最近は現場で修正ができるシステムが増えてきたと感じるので良い時代になってきましたよね。

清水:
医療業界は2年に1度の診療報酬改定もあるので、強制的に業務内容を変えなくてはいけないこともありますからね。最近使ってて良かったシステムはありますか?

伊谷野:
先日開催したWEBオンラインの勉強会は良かったですね。会議システムのZoomを今回は活用しましたが、WEBならではの良さを体感できました。今後も積極的に活用していきたいですね。

また、勉強会だけではなく病院間での退院前カンファレンスなどにも活用できると思います。在宅医療において多職種連携は必須ですが、場所時間を合わせることに結構苦労します。WEBでつないで対応できれば、開催のハードルも下げられますし、感染症のリスクも防げますね。

清水:
WEB勉強会は初回にも関わらず70名以上の方に参加いただきました。ありがたいですね。
当院では院内カンファレンスはすでにWEB活用が定着しています。外部との情報連携にも活用していけると良いですね。
それではそろそろお時間になるので本日はここで終わります。

伊谷野:
ありがとうございました。
あくまでも関わる方に『安心』をご提供するためが第一にあって、その手段がIT技術ということですね。話しながら良い振り返りができました。その前提を抑えつつ、これからも良い方法があれば積極的に取り入れていきたいと思います。

医療従事者の中にもIT化していきたいという方は多いと思うので、うまく活用して便利な地域社会にしていければと思います。

ロゴ